効率化に潜む邪心

 誰でも聞いたことがあるであろう「効率化」。美徳として扱われがちな思想ですが、現場にとってはしんどい事もありませんか?もう少し要領良くやりたくないですか?という話です。

 別に情報商材を売るつもりは無いんでそこは安心してもらって良いです。

2倍働くと2倍の仕事が降ってくる。見返りは?

 ちょっとAIに頼ったりマクロを組んだり、自分なりに工夫して早く正確に仕事を片付けると褒められること多いですよね。すると気分が良くなり、次の仕事も同じように終わらせる。

 最初の内はそれで良い。しかしずっと続けていると段々異変に気付き始める。まるで自分が安く使われているような気がしたり、他人がタラタラ仕事しているのが目に付くようになったりして気分が悪い。気付くと周りは早く帰るのに自分だけバリバリ居残りする羽目になる。効率化で空いた時間に他の仕事が降ってきて、それが当たり前と思われてしまう。でも給料は殆ど変わらない。その結果、不公平感や被害者感情といった「邪心」が芽生え始めるのだと思います。

 自分の編み出したやり方を上司に提示して、その結果見合った報酬をくれれば良いが、大体どこかで自分の感覚とズレが生じるので、その内幾分サボった方がマシだと思い始める。数字ばかり気にして途中経過を気にしない人は居るもんです。

 だから「今月何台仕上がりますか?」に対して「70台ですねぇ(本当は100台)」みたいな回答をし、今まで100%の速さでやっていた仕事を70%の速さでこなすようになる。こういう経験って大なり小なり皆あるんじゃないかなあと思います。

楽をすると、楽をしない人に抜かれる

 上の都合よく使い潰されたくない、だからと言ってサボり続けると何かしらの代償を払うことになるでしょう。

 効率化したのを黙っていても、こういうのは何かしら邪魔要素が入ってくるもんです。余裕時間を作ったって上(雇用主)から見れば、その時間でもっと利益上げろよって話ですよね。

 内緒で効率化した上で自分の能力を過少申告しておけば余裕を守れるでしょう。でも会社の中にはやる気モリモリな人が一定数いて、彼らは時間の許す限り沢山の仕事を貰おうとする。すると自分との成果が自ずと開いてきて、しまいには評価が相対的に下がっていく。

 或いは担当が自分以外に変わった時。もし後任の人がストイックな性格でより多くの仕事をこなす人であったなら、今までの担当は何してたんだ?と言われる。するとやはり時間差でマイナス評価になる。

 同僚と駄弁った時にうっかり口を滑らして「自分ならこの仕事15分で出来ますよ」なんて漏らしてしまったら?怠け者と怪しがられて監視対象となり、粗を探されて密告される。他人に隠された余裕を看破しようとする人って実際いるんですよねえ。

 話逸れますが会社単位でも同じでしょう。ワークライフバランスとか何とか言って無闇に労働時間を短縮させても、どこか別の会社はバリバリ労働させて売上を稼ぐ。自分らが休日寝ている間に差を付けられて競争に負けてしまうという事です。

効率化の成果はカードとして持っておこう

 疲弊せず評価も落とさないためにはどうしたら良いか?それは効率化の手法を戦略的に公開していくこと。これがカードの使い方です。周囲への忙しいアピールも欠かさないようにしましょう。

 手法を公開する時は「効率化した→余裕が出来た」ではなく「余裕が無い→効率化した」という因果関係でストーリーを仕立て、自分の成果としてアピールする。改善を続ける姿勢を見せるのが大事なので、後先考えず全部大っぴらにするのも良くないです。そして適度に忙しいアピールをし、自分のリソースを出来るだけ守るようにする。そうすれば昇給材料が増えて良いのではないでしょうか。

 リソースが守れれば常にせかせかする必要もないですし、他人がサボる姿にやきもきする事も減って精神衛生上も良いでしょう。

 要するに「バレないようにサボる。やる時はやる。」両者のバランスがいい塩梅となるように頭を使い、邪心を飼い慣らしながら仕事していくのが、下っ端が使い潰されないための生存戦略の一つなんじゃないかなあと思う訳です。

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