ワイヤレストラックボール M-HT1DRのホイールを修理する

 このエレコムのトラックボールは4年前に11390円で購入した物ですが最近調子が悪いです。ホイールを回した時のクリック感が弱くなり、また特定の位置で逆方向にスクロールし出すようになりました。
 恐らく中のロータリエンコーダが寿命を迎えたものと考えられます。折角なので修理してみましょう。

分解

 滑り止めのゴムを剥がすと黄色い丸で囲った位置にネジが見えるようになります。裏面はT6のトルクスネジが7本使われており、内1本は電池蓋の中に付いています。今時トルクスドライバなんてどこでも手に入りますし悪戯防止の意味なんて殆どないですよね?
 悪戯防止といえばモジキは昔、ゲームボーイアドバンスのカセットに使われていたY字型のネジを、興味本位でマイナスドライバで無理矢理外して分解した結果、ヨッシーアイランドのデータを全部消し飛ばしたことがあります。

 表面にもボールを外すと2本ネジが見えます。ここはなぜかプラスネジです。

 ネジを外すとバコっと蓋が外れて3つに分かれます。ツメは付いているもののそこまで強力な嵌め殺しではなく安心です。

 今回修理するホイール部分です。不具合の原因と思しきロータリエンコーダは8mm×8mmの大きさで、「Kailh」の印字がありました。中国のスイッチメーカーのようですがこれ何て読むんでしょうかね?
 ググるとアリエクで同じような見た目の部品は出てくるのですが出来るだけ早く直したかったので、秋葉原に行って調達することにしました。

修理

 秋月で買ってきたロータリエンコーダです。そのままでは大きくて形が合わないので黄色い線に沿って出っ張りをニッパーで切り落とします(当然3本の足は残す)。

 トラックボール側のホイール受けも加工し、赤枠で示した部位を取り除きます。弾力性のある素材で刃物を入れても割れにくいです。

 前のロータリエンコーダに付いていたケーブルを移植した後、ホイール受けに嵌めてみます。前と同じ向きだと穴の位置が合わないので、90度回しています。また他の部品との干渉を防ぐために、ロータリエンコーダの足は短くしました。

 あとはホイールを取り付ければOK、と思いきやここで問題が。
 このロータリエンコーダの穴は1.73mmなんですが、ホイール側の軸は2mmです。穴が小さくて入りませんでした👺仕方なくヤスリで軸を削ることに。六角を均等に削るのって結構難しいんですよね。

 何とか取り付けられたので、ロータリエンコーダが遊ばないように瞬間接着剤で固定します。
 ちなみに写真の状態ではどうやっても接着剤が出てきません。なぜだか分かりますか?

 ここまで済んだら後は元通りに組み直して修理完了です。ザリザリしていたクリック感も復活し、逆方向にスクロールすることもなくなってとても快適になりました。

壊れた部品を分解してみる

 最後に、ダメになってしまったロータリエンコーダを分解してみます。

 四隅の黒いポッチを切り落とすと4つの部品に分かれます。一番左が摺動接点になっていて、その隣のキウイみたいな部品にはクリック感を生み出すためのギザギザが付いています。この時点で黒い粉まみれでひどい有様です。

 粉を取り除いてみると、接点が削れたことで地の樹脂が同心円状に露出しているのが分かります。完全に寿命ですね。
 この状態でホイールを回転させ続けたので、樹脂が削れて内部が粉まみれになったのでしょう。

 ということで今回はトラックボールを修理しました。最初からアリエクで同じ形の部品を買っていればもうちょっと楽になったとは思いますが、こんな方法もあるよ、ということだけでも伝わればと思います。

おわり

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